主なムコ多糖体の生体分布
名称 | 所在 | 性質 |
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コンドロイチン硫酸A コンドロイチン硫酸C | 軟骨、角膜、大動脈、心弁、髄核に多く存在。 ヒトの血清や脳にも微量に含有。 |
炭素原子の基本骨格は両者とも全く同じで、硫酸基の位置のみが異なる。 |
コンドロイチン硫酸B (デルマタン硫酸) |
皮膚に特に多く含まれ、心弁や肺にも多いが、骨や軟骨にはみられない。 | コンドロイチン硫酸Aによく似た構造だが、グルクロン酸がイズロン酸に変わっている。 細胞同士の接着を妨げる作用がある。 |
コンドロイチン硫酸D | サメ軟骨に多く含有。 | コンドロイチン硫酸Cによく似ているが、それより硫酸含量が多い。 |
ヒアルロン酸 (ヒアルロナン) |
目の硝子体 ニワトリのトサカ 関節液 |
硫酸基の無いムコ多糖で、構造もムコ多糖ではもっとも簡単だが、その分子の長さは驚異的で赤血球径の1/2(約0.004mm)に達するものも存在する。 |
ヘパラン硫酸 (ヘパリチン硫酸) |
血管内膜および中膜 細胞表面 細胞基底膜 |
ヘパリンに似た構造だが、抗凝血活性はない。これは硫酸含有が低いことによる。 細胞と細胞の接着を促進。 |
ケラト硫酸 | 角膜 椎間円板の髄核 軟骨 |
ほとんどの場合、コンドロイチン硫酸とともにたんぱく質に結合して作用する。 |
へパリン | 肺組織 肥胖細胞 |
きわめて高度の抗凝血作用があり、手術時や透析療法に欠かせない。 |
「ムコ多糖の構造と機能」を元に長谷川榮一先生が作成